上原幸子

うえはら・さちこ
UEHARA, Sachiko

ビジュアルコミュニケーションデザイン、キャラクターデザイン、環境デザイン

Communication Design

デザイン情報学科

教授

Professor

2009年4月着任
1959年神奈川県生まれ
武蔵野美術大学造形学部
視覚伝達デザイン学科卒業

研究テーマ:

コミュニケーションデザインと市民活動、学校・地域・NPO・行政などのコラボレーション及びCSR、造形教育・環境教育プログラム。

'82-'89年、広告プロダクションにて主に電通関連の仕事を中心に、アドヴァタイジングやCI、キャラクターデザイン、冊子、TVテロップなど、様々な制作に携わる。以後フリーデザイナー。'03年、武蔵野美術大学通信教育課程非常勤講師となる。
主なキャラクター作品:「警視庁マスコットキャラクター・ピーポくん」「ジャパンエキスポ鳥取'97山陰・夢みなと博覧会マスコットキャラクター・トリピー」「東京電力/電力館マスコットキャラクター・ピピィ」「国民金融公庫・マスコットキャラクター」など。
主な広告クライアント:住友銀行、住友海上、東京ディズニーランド、ニチレイ、カワイ音楽産業、KFC、行政関係など。
市民活動:'99年「砧・多摩川あそび村」発足。'02年「せたがや水辺の楽校」準備会発足、'05年開校。
著書:『コミュニケーション研究Ⅰ・Ⅱ』武蔵野美術大学出版局 '02年(共著)、電子図書「まちづくりネット文庫〜きぬたまあそび村」(財)世田谷トラストまちづくり公式サイト内 '06年。
団体としての受賞:世田谷区青少年育成功労者賞 '02年、コカコーラ環境教育主催者賞 '05年。

UEHARA, Sachiko

Professor


Communication design as a mechanism for making connections—consciously stepping out into the local community—brings you into contact with the creative efforts that are taking place in town. Town planning that actively engages the local community, bringing people together for some common purpose, is inherently motivated by a powerful desire to send a message to the world. For those in the field of design, which is supported primarily by consumer life, encountering the real world of community planning can lead to the discovery of a new sphere of activity. This is what motivates my own efforts to create play spaces.
What kind of mechanism is needed to convey what we want to convey to everyone in a way that is easy for them to understand? Whether building relationships and shared understanding with people in various situations, conducting workshops that transform keen observations into concrete plans, or engaging in interactive efforts involving various kinds of media, the role of communication design as a process for spurring people to action is one that I believe will only continue to grow.
警視庁マスコットキャラクター 「ピーポくん」 1987年
警視庁マスコットキャラクター 「ピーポくん」 1987年

警視庁マスコットキャラクター
「ピーポくん」 1987年

左:キャラクター使用マニュアル
右:グッズ展開は数多いが、ぬいぐるみは交番に常設してある

ジャパンエキスポ鳥取'97 山陰・夢みなと博覧会マスコットキャラクター「トリピー」 1997年
ジャパンエキスポ鳥取'97 山陰・夢みなと博覧会マスコットキャラクター「トリピー」 1997年

ジャパンエキスポ鳥取'97
山陰・夢みなと博覧会マスコットキャラクター「トリピー」 1997年

左:ジャパンエキスポ鳥取'97 山陰・夢みなと博覧会グラフィックデザインガイド
県民による一般公募により選ばれた原案を、作品としてブラシュアップしている
右:山陰・夢みなと博覧会イベントでの着ぐるみ

鳥取県マスコットキャラクター新バージョン 「エコトリピー」 2008年

鳥取県マスコットキャラクター新バージョン
「エコトリピー」 2008年

エコ対策用に開発した新しいトリピー
他にも鳥取県の事業や行事に合わせて活用できる
バリーションを多数制作



地域活動とコミュニケーションデザイン

地域コミュニティーに意識的な一歩を踏み出すと、まちの中で息づく創造的な取り組みに出会うことができる。在学当時、ユニバーサルデザインのための「世田谷福祉マップづくり」や黒色テントとの演劇ワークショップ「太陽の市場」など、障害者の社会参画活動に記録者として関わる機会を得た。ある目的の元に人が集い、地域コミュニティーに積極的に関わっていくまちづくり活動には、社会に情報発信していく強いモチベーションが内在している。まちづくりというリアリティーとの出会いが、デザインの新たな現場を見出すことにつながった。そしてそのことが、自ら主体となる地域での遊び場づくりの原動力となった。
地域社会の課題への取り組みにおいて、地域の意識共有と関係構築のため、またグランドデザインを具体的に進めて行くために、ワークショップやメディアを用いたコミュニケーションデザインの役割は、これから大きくなっていくと言えよう。現代の命題とも言える地域活性化のために、人を動かしていく立体的なコミュニケーションの設計が求められている。

「世田谷区・子ども夢プロジェクト」ポスター 2009年

「世田谷区・子ども夢プロジェクト」ポスター 2009年

世田谷区が子どもの夢の実現を応援する子ども向けの公募ポスター


まちづくりの実践

地域に冒険遊び場(プレーパーク)をつくるために、住民に呼びかけ1999年に発足した「砧・多摩川あそび村」は、地域資源である多摩川の自然を生かした遊び場を運営している。地域での定着を経て、2006年に「世田谷区自然体験遊び場事業」のモデル事業として、市民運営による区の委託事業になった。またフィールドにしている多摩川河川敷に、子どもが自然とふれ合う場づくりを進めるため、河川管理者である国土交通省との官民協働事業「せたがや水辺の楽校」を2005年に開校した。国・自治体・教育委員会・学校・地域市民ボランティアで運営協議会を構成し、グランドデザインなどお互いの合意形成を図りながら、子ども参加のまちづくりとして、地域で常に作り続けて行く現在進行形の遊び場が誕生した。いずれも市民のニーズと行政の施策に共通項を見出したことから、官民のコラボレーションが実現したのである。
市民活動に公的な要素が加わることで、活動を記録し誰にでもわかりやすく見せていく広報としての役割と報告の必要性がより増してくる。最近は、企業や大学の社会貢献への関心も高まりつつあり、各分野の大学からのインターンシップの受け入れも始まっている。

「砧・多摩川あそび村」

「砧・多摩川あそび村」

多摩川の土手のダンボール滑り台で、ダイナミックに遊ぶ子どもたち
「砧・多摩川あそび村」

「砧・多摩川あそび村」

ボランティアの大学生が、子どもたちと相談しながら作ったツリーハウス
「せたがや水辺の楽校」

「せたがや水辺の楽校」

小学校の総合学習で、手網を使ってエビや小魚を捕まえる水辺ガサガサ


出会いと対話から学ぶコミュニケーションデザイン

学生の作品づくりで常に問われるのがテーマの設定である。コミュニケーション・メディアが中身を持たない存在である以上、メディアデザインを学ぶ者の命題かもしれない。ここでは自らの考えが実感を伴ったものに高めていくことを目指して、社会的な視野をもつきっかけとして、地域コミュニティーの中に学びの場を求めていくことを意識的に行っている。私たちは情報発信者であると同時に、生活者であり地域社会の一員であることを忘れてはならないからである。その出会いから、学生個人のテーマに対するこだわりが育まれることを期待したい。
「コミュニケーション研究Ⅰ・Ⅱ」は、地域活動の魅力やその原動力を取材という形で探り、想定ではなく実際に地域社会とつながりながら、生きたコミュニケーションツール制作を体験する。そして企画と記録と編集をとおして、メディアリテラシーを培うことを目的とする。多様化するメディアの担い手となるためには、内容に対しての適切なメディア選択や表現手法の模索において、クリエーターであると同時にディレクターの目線を兼ね備える必要がある。とかく作り手の論理に終始したり、作りっぱなしになりがちの作品づくりだが、対象がどう捉えるのかそのリサーチと検証までが学びの一環なのである。情報伝達の形は変化しても、人から人へ情報が手渡され、人や物事を動かして行く手応えこそ、コミュニケーションデザインに携わる者の醍醐味であることは、おそらく変わることがないであろう。

コミュニケーション研究Ⅰ(3年)

コミュニケーション研究Ⅰ(3年)

上原幸子+松原正州非常勤講師+佐久間久美子非常勤講師
コミュニケーション研究Ⅰ(3年) 2

コミュニケーション研究Ⅰ(3年)

授業風景:市民の運営する冒険遊び場を見学し、実際に見て聞いて体験した第一次情報を元に、グループでテーマを設定する。そして様々な立場の人への取材から記事をまとめる編集を体験する。
コミュニケーション研究Ⅱ(4年)

コミュニケーション研究Ⅱ(4年)

上原幸子+松原正州非常勤講師
授業風景:自分の住む地域の活動を取材し、その活動を伝えるパネルを制作する。スクーリングでは、ムサビを会場にしたコミュニケーションデザイン展を企画・開催し、ギャラリーとの生きたコミュニケーションの場を体験する。




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