研究テーマ:
学校と地域を結ぶ造形・表現活動のワークショップ、環境啓発のためのコミュニティワークショップを企画・運営し、自治的な場づくりへ向けてデザインの領域を拡張する。
ワークショップ:「'83アジア民衆演劇会議:世田谷ワークショップ・品川用水ワークショップ」於:羽根木公園・共同企画、「'84まちとひろばワークショップ」日本青年奉仕協会・共同企画、「ぶりっじ世田谷」実行委員会事務局 '98-'00年、「'99震災サバイバル・キャンプ・イン」実行委員、「世田谷Teens編集部」'99-'03年、「学校改築子どもワークショップ」'02-'03年など。
著書・論文:『やさしいまちづくりデザインノート1~7』世田谷区 '91-'94年(編集・共著)、「わがまち発見!」晶文社 '95年(共著)、『参加のデザイン道具箱 PART4 子どもの参加』世田谷まちづくりセンター '02年(編著)、「市民と行政のコミュニケーション」『コミュニケーション研究Ⅰ・Ⅱ』武蔵野美術大学出版局 '02年など。
組織としての受賞:「公共の色彩賞」清掃工場煙突デザインコンペ実施事業 '89年、「日本サインデザイン協会SDA賞」やさしいまちづくりデザインノート '92年、「防災まちづくり自治大臣賞」'99震災サバイバル・キャンプ・イン。
我孫子市景観アドバイザー。世田谷区環境審議会委員。
『やさしいまちづくりデザインノート1〜7』
世田谷区福祉部福祉計画担当課・企画部都市デザイン室発行、1991-1994年
参加のデザインからコミュニティづくりへ
地域コミュニティの創造をテーマにしたワークショップを企画・運営・記録し、さまざまなメディアのデザインに関わってきた。
『やさしいまちづくりデザインノート』は、公共的施設のユニバーサルデザインのための啓発冊子である。高齢者・障害者・子ども・外国人などの多様な暮らし方を共有するために、市民と専門家による10年をかけたワークショップの経験から編集された。梅丘中学校ふれあい通りの草花タイルは、学校周辺の植物観察と採集から着想され、道路整備事業への住民参加の契機となった。『参加のデザイン道具箱 PART4 子どもの参加』は、まちづくりへ子どもが参加した事例の実施体制やプログラムなどを掲載した実践的なガイドブックである。子どもをとりまく環境が劇的に変化した現在、子ども自身の視点の必要から生まれた。
参加と対話によって、人々との出会いに眼差しと形が与えられていく。これらの試みによって生まれたものは、経験と記憶がまちの中に集積していくためのメディアなのである。
梅丘中学校ふれあい通り草花タイルづくり
ふれあいのあるまちづくり定例会・世田谷区企画部都市デザイン室・土木部工事第1課・学校教育部施設課・新居千秋都市建築設計、
1985年
地域社会の人々とかかわりながらデザインを考える
デザインの働きを、実社会の側から確かめる。どこがそのデザインの現場といえるのか、だれが仲間となって組織されるのか、どのようなプログラムが時間を共有するために有効なのか、意識化してみる。視覚伝達デザインがコミュニティに及ぼす成果を検証し、未来に向けてどのような方向性をもっているのか、可能性をさぐってみる。
これらは、他者との対話によって可能になる。あらゆる領域のさまざまな立場の人々が、デザインを学ぼうとする学生を鍛えるだろう。
授業は、個人の身体性の確認、他者と場の発見、関係の解釈と関係づくりの手法の創造、体験と評価、という段階的な学習のプロセスによって行なわれる。
2年:視覚表現演習E
齋藤啓子+高山裕子非常勤講師
自然をまもる市民グループや市役所への取材・見学、地域資料を調査する。イメージマップやサウンドマップ、KJ法による考察を行ない、まちの骨格や課題を読みとり、地域コミュニティに提供したい情報を視覚化する。
3年:空間構成Ⅲ・環境デザインA
齋藤啓子+及部克人教授+花崎摂非常勤講師
前期は、夏休みの2日間の子どものための造形演劇ワークショップ「小さな夏休み」(主催:国分寺市社会教育グループ小さな夏休み実行委員会/共催:視覚伝達デザイン学科研究室)を企画・実施する。後期は、子どもの社会環境の考察を通して、新たなワークショップやメディア制作を行なう。
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