松浦寿夫

まつうら・ひさお
MATSUURA, Hisao

美学

Aesthetics

教授

Professor

2018年4月着任
1954年東京都生まれ
東京大学大学院人文科学研究科
博士課程満期退学

研究テーマ:

芸術理論の研究と制作。
近代芸術の理論的/歴史的な研究、制作の理論的な次元の検討作業と同時に、絵画作品の制作。

主な展覧会
'85年「第5回ハラ・アニュアル」展(原美術館)、'90年「絵画/日本 断層からの出現」(東高現代美術館)、'95年「視ることのアレゴリー」展(セゾン美術館)、'09年「PHILOSOPHIAE NATURALIS PRINCIPIA ARTIFICIOSA 自然哲学としての芸術原理」展(東京アートミュージアム)、'13年「庭ーGardens」展(神奈川県民ホールギャラリー)、'18年「Physicaー自然哲学としての芸術原理」展(表参道画廊)、その他、なびす画廊、ガレリア・フィナルテを中心に個展多数。

私は長年にわたって、庭園、造園術という主題のもとに絵画制作に取り組んできました。それは、庭園が限定的な空間のなかに、相互に異なった次元に属する要素を並列的に内包しながら、本源的に非飽和な広がりであるという点で、絵画制作の原理的なモデルの位置を占めると同時に、自然哲学的な考察の方向を示唆してくれると考えるからです。そして、庭園は自然の一部でありながら、また同時に自然を内包するものでもあり、この両義的な関係のもとに、位相の差異が奏でる微細なざわめきを聴取することを可能にする場であるとも考えられます。



MATSUURA, Hisao

Professor


Professor of Aestetics. Born in Tokyo, in 1954. Completed the graduate course of the University of Tokyo in 1988. Studied at the Institute of Art History, at the University of Paris I (1985-1988). Specializes in the theory/ history of modern art. Publications: Modernity 3×3, Ready for Painting, etc. Pursues also a career as an artist since 1980.
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驟雨に関する考察とその変奏

綿布、アクリル 181.8×227.2cm 2016年

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遠くにあるものの近さ

綿布、アクリル 130×162cm 2018年

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遠くにあるものの近さ

綿布、アクリル 130×162cm 2018年

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遠くにあるものの近さ

綿布、アクリル 130×162cm 2018年

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同じ、異なった葉

綿布、紙、アクリル、パステル 72.5×181.5cm 2018年

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cioccolato con pistacchi

木製パネル、紙、綿布、アクリル、パステル 33.3×53cm 2018年




これまでの活動は作品制作と理論的探究の二つの側面から構成されています。この二つの側面はときに相互的に多くの矛盾を抱え込み、また、ときにはこの矛盾のために、それぞれの側面が他方の側面に対して、批判的な関係を構成することになります。また、ごく端的に、この相互に異質な作業は、その遂行の編成の仕組みそれ自体が異なるため、時間的な制約のなかで、異なったリズムを必要とします。ただ、この二つの側面を同時的に維持するという点でしか、自らの思考を行使しえない以上、今後もこの両面的な展開を続行することになるでしょう。
1980年代中期の日本で、制作と理論的な探究を開始することは、当然のことながら、その歴史的な条件の刻印を帯びることになります。とはいえ、それがどの時代の刻印であったとしても、他者の達成したものを無条件に前提として活動することはできない以上、必然的に、もっとも初歩的な次元から様々な概念をひとつひとつ再検討することから始めざるをえないことに変わりはありません。ともあれ、ジャンルの再規定化の試みと擬似的なポストモダニズムの名のもとでの折衷主義という二つの支配的な傾向のいずれにも傾斜することなく、理論的な探究と制作を続行することを課題としてきました。そして、近代芸術の諸局面に局所的に露呈する徴候のなかに、〈来るべき〉という待機の状態にある様態を見出すこと、それが、一方で、美術の歴史/理論的な次元での研究という様相を示すと同時に、制作の場面における新たなメディウムの発見へと導く回路になりえると考えています。
主な刊行図書としては、『モダニズムのハードコア』(浅田彰、岡崎乾二郎と共同編集、1995年、太田書店)、『モデルニテ 3×3』(小林康夫、松浦寿輝との共著、1998年、思潮社)、『絵画の準備を!』(岡崎乾二郎との共著、増補改訂版2005年、朝日出版社)、『絵画との契約、山田正亮再考』(中林和雄、林道郎、沢山遼との共著、2016年、水声社)がある。なお、1982年以後のほぼすべての文章の集成として、『ア・クロニック』を近刊の予定。また、現在、林道郎とともに、『Art Trace Press』誌の共同責任編集を行う。 ページの最初へ