牧野良三

まきの・りょうぞう
MAKINO, Ryozo

舞台美術

Set Design

工芸工業デザイン学科

教授

Professor

2008年4月着任
1951年新潟県生まれ
武蔵野美術大学造形学部
芸能デザイン学科卒業

研究テーマ:

舞台美術及び、その延長線上にある演出性の高い空間における、視覚環境の可能性を探る。

'85年からオペラ・バレエ等の舞台美術及び、イベント等のステージデザイン・ブースデザインに携わる。また、'90年から総合美術研究所を基点に商業施設・テーマパーク等の開発・設計に携わる。
主な仕事として、オペラコンチェルタンテシリーズ全25作品。オペラ:「後宮よりの逃走」「愛の妙薬」「魔笛」他。
バレエ:「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「ドン・キホーテ」他。
オペレッタ:「メリー・ウィドー」「ヴェニスの一夜」「ラ・ヴィー・パリジェンヌ」他。
イベント・テーマパーク:六甲ワンダーワールドウィザードパレス(プランニング、デザイン)、ロッテワールド東京設計支援(デザイン、アートディレクション)、伊東マリンタウン(デザイン、アートワーク)、東京モーターショー日産ブース(プランニング、デザイン)、NHK技研公開イベント(プランニング、デザイン)他。
受賞:'95年文化庁芸術祭大賞(作品賞/美術担当)オペラコンチェルタンテ「ヒンデミット三部作」。'02年ディスプレイ産業大賞(経済産業大臣賞)第34回東京モーターショー日産ブース。

MAKINO, Ryozo

Professor


Given the proliferation of composite expressions that has accompanied the rapid development of media, it is no longer possible to discuss the state of set design using traditional concepts of the domain. Furthermore, as directorial method has taken to indicating an orientation for set design, set design has come to play the role of visualizing directorial ideals and creating spatial structures. Going forward, set design is faced with a pressing need to redefine its conceptual grounding in a way in keeping with the times.
My research broadly divides the compositional elements of set design into intuitive information received from the spatial structure and expressive information received visually. Re-conceptualizing theatrical space as a forum for bodily sensation, I seek to explore the potential of new spatial models.
オペラコンチェルタンテ「オテロ」オーチャードホール 2000年

オペラコンチェルタンテ「オテロ」オーチャードホール 2000年

劇空間において、上演のテーマが要求する状況を、定着可能な視覚環境として創り出すことが、舞台美術の仕事となる。言い換えれば、演出性の高い空間を「場」の概念で捉え、その意味を視覚化する作業ということになる。この考えを持って、劇場を越えた領域で「意味空間」の視覚的な可能性を探る。
もうひとつの社会参加の形として、よりよい地域社会を目指して、造形ワークショップの手法を導入し、学生・市民・行政の三者による協働で、自立した市民意識の発芽を促す「気付きの場」を提案し、実践する。


舞台美術〈コミュニケーション装置としての劇空間〉

演劇の役割とは、テキストを下敷きとし、俳優達が舞台という空間で上演のテーマを表現しようとする時、観客との間に生まれる「何ごとかの意味」を緊張感を持って共有し、感得し合うことと言える。
「何ごとかの意味」を最大の効果として引き出し、成立させるための導きが演出の仕事であり、その「何ごとかの意味」を成立させるための、最良の環境を用意することが、舞台美術の仕事と言える。
人の思いが介在し、人の思念を通して見つめる時間と空間は、自在に伸縮し変容する。このような意味を帯電した空間を、「意味空間」という場の概念で捉えることができる。人が思念する様々な意味の重なり合う世界を整理し、空間的な存在として置き換え定着させる、「予感する形」が舞台美術と言える。

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オペラ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」

ザ・シンフォニーホール 2010年

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オペラ「蝶々夫人」

横浜みなとみらいホール 2012年
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バレエ「白鳥の湖」

東京文化会館 2013年



エンターテインメント性〈異体験空間の表現装置〉

ここで言うエンターテインメント性の強い空間とは、遊戯行動等と結び付いた新たな体験の場のことを言い、テーマに則した演出性の強い空間を言う。
人と空間のより強い関係をつくり出すために、環境が人の心理や行動に及ぼす作用を、現実の空間において成立させようというものである。
この場合、日常とは異なる空間で「何ごとかの意味」を互いに感得し合うという演劇体験と、基本的には同じであるが、その作用の違いが表現の違いとなる。
思考の座標を考える時、演劇体験は座標の奥へ、または深部へ向うものであり、想像力に期待する余白をもった表現であると言える。エンターテインメント空間では、その座標において水平的に広がる思考であり、人と意味が「同化する」、想像力を固定化する表現と言える。

テーマパーク スケッチ 2004年

テーマパーク スケッチ 2004年

テーマパーク 全体図 2004年

テーマパーク 全体図 2004年


市民活動〈もうひとつの社会参加の形として〉

良好なコミュニティーは意識的に作り上げるものであって、自然発生的に生まれ育つものではない。地域社会において住民意識の発芽を促すためには、想いを共有する人達が集い、深め、発信するという、互いが成長するための手立ての場が必要となる。
ここで言う手立てとは、今自分はどこにいて、どのような目標を掲げ、そこに至る道筋を思い描くことであり、参加のための「テーマ」「プログラム」「プロセス」という、目的遂行のための手順を理解させることにある。造形の持つ触発力・共振力に期待するものが、ここで言う手立てとしての造形ワークショップである。発信の基点としてのプラットホームが水平的な広がりをもち、ネットワークとして機能し合う時、想いの実現の第一歩となる。

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ワールドプロジェクト2009

武蔵村山イオンモール
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ワールドプロジェクト2010

武蔵村山イオンモール
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ワールドプロジェクト2011

武蔵村山イオンモール


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