黒坂圭太

くろさか・けいた
KUROSAKA, Keita

アニメーション表現

Animation

教授

Professor

2000年4月着任
1956年東京都生まれ
武蔵野美術大学造形学部
油絵学科卒業

研究テーマ:

ドローイングを主体とした短編アニメーション映画の創作活動。

受賞:'87年「イメージフォーラムフェスティバル」入賞、'93年「レティナ国際映画祭」市長賞、'97年「MTVステーションIDコンテスト」優秀賞、'98年「アヌシー国際アニメ祭」部門賞1位、「BDA国際デザイン大賞」銅賞、「オタワ国際アニメ祭」部門賞1位、「オランダ国際アニメ祭」部門賞1位、その他。
個人プログラム上映(招待):'88年「アニメ進化論」O美術館、 '92年「イメージフォーラムフェスティバル」、'93年「MATINAZE」シドニー州立美術館、「ネオバロックー20世紀末の映像表現」北海道立近代美術館、 '97年「DIGITALE」ケルン、ルードヴィヒ美術館、'98年「日本の映像作家」ICC、'00年「ロッテルダム国際映画祭」「CINEMA DE BALIE」(オランダ)、'07年「アートの風」愛知芸術文化センター、「ポルトガル映画祭」「オーストラリア・シネマテーク」、その他。
国際映画祭(招待出品):'89・'93・'94年「オーバーハウゼン映画祭」、'89・'91年「ロンドン映画祭」、'91年「メルボルン映画祭」、'92年「ベルリン映画祭」「バンクーバ映画祭」、'94・'96・'04年「広島国際アニメ祭」、'95・'98年「アヌシー映画祭」、'01年「山形ドキュメンタリー映画祭」、'05年「台湾国際アニメ祭」、'07年「ロッテルダム映画祭」「ニッポン・コネクション」(ドイツ)、その他。
パブリックコレクション:横浜美術館、神奈川県立図書館、京都文化博物館、福岡市総合図書館、ICC、その他。
作品ビデオ&DVD:「黒坂圭太作品集Vol.1-3」(ミストラルジャパン)、「冬の日」(紀伊国屋書店)。
所属:日本アニメーション協会 (会員)。

http://eizou.musabi.ac.jp/kurosaka.html


KUROSAKA, Keita

Professor


As an animation artist, I have been engaged in the production of animated shorts using experimental techniques since the 1980s. I have received many awards both in Japan and overseas, including from the two largest international animated film festivals (Annecy and Ottawa). My work has been given special individual screenings at various video festivals, museums, and other venues. In recent years I have actively pursued such activities as extemporaneous animation production and live drawing events open to the public. My first long-form animated film, Midori-ko (2010), was shown at film festivals in over 20 countries. It was well received and screening requests continue to come in from Japan and other countries (http://www.midori-ko.com). In December 2012 I released my latest music video, Rinkaku (Silhouette). In classes at MAU I focus on self-expression and the design of movement, and explore the unknown potential of animated expression unconstrained by the grammar of existing works.
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『ワタシノカオ』 

『ワタシノカオ』 

制作年:2005年12月 上映時間:5分 制作会社:自主制作
私は何故か周囲のあらゆるもの(人間に限らず)に“顔”の存在を感じてしまうらしい。いつの間にか手元には様々な顔を表した無意味なラクガキたちが貯まっていくのだ。そんな彼等に出番を与えたくなり「おもしろい顔たち展」という映像とドローイングによる個展を行った。これは、その展示会場用に制作した映像である。


抽象映像からアニメーションへ

1985年、壁面や岩肌を素材にした抽象映像『変形作品第2番』で業界デビュー。作品は、描画、写真、立体などを素材とした独自のアニメ技法による制作方法で、殆どの作業工程を作者自身の手仕事でまかなう。それらは国内外の様々な企画展をはじめ、数多くの国際映画祭で上映されている。
1990年代以降は「MTV」のアイキャッチャーなども手がける。近年では連句アニメの共同プロジェクト『冬の日』(2003年)に参加するなどの他、即興によるアニメ制作実演のライブ活動も開始。2006年、ロックグループ「Dir en grey」のプロモーションビデオ制作やCDジャケット用イラストを担当、2008年「毎日映画コンクール」の選考委員を務める。2009年「恵比寿映像祭」(東京都写真美術館)の上映プログラム〈妄想の楽園 ブルース・ビクフォードvs. 黒坂圭太 日米アニメーションの奇才対決〉にトーク出演。10年がかりの長編アニメ映画『緑子/MIDORI-KO』が、年内の完成に向け最終作業に入っている(2009年3月現在)。


アニメーション創作を志す人たちへ

私は専門のアニメ教育を受けていないので、実作業のノウハウは様々な仕事に関わる中で覚えていきました。自分に限って言うなら、ある表現技術を身につけても、次の作品に対峙する時それは大して役に立ちませんでした。めざす作品世界が変われば、それに適応する未経験の技術を模索する必要があったからです。基礎訓練は若い頃に一定期間だけやれば良いというものでなく、新たな仕事に向かう時は常に行うべきと考えています。
だから私の場合、創作活動を始めて四半世紀近くになるというのに未だ“熟練”などとは無縁、未解決の問題点ばかりが山積みとなりゴールは遠退く一方なのです。締切の直前いっこうに良いビジョンが得られず、本気で夜逃げを考えたことも一度や二度ではありません。にもかかわらず今日まで続けて来れたのは要するに「アニメ創りが大好きだったから」なのでしょう。実作業に専念できる時間は限られていますが、頭の中はいつも作品のイメージ断片が目まぐるしく走り回っているのです。
今日の社会状況に於いて、ごく一握りの幸運な人々を除き“表現者”は「浮世離れした異端者」とみなされがちです。高邁な志を抱く皆さんは、現実社会に出た途端、何とも意欲を萎えさせる多くの出来事に出くわすことでしょう。ある意味それは“宿命”とも言えます。となれば、もうこれは、どんな絶望的環境にも諦めない“底力”をつけるしかない。それは結局のところ「創るのが無条件に楽しくて仕方ない」ということに行き着くのではないでしょうか。
今や、アニメーションは日本を代表する高級な芸術であるかの様に言われますが、私にとっては「たかがアニメ、されどアニメ」で良いのです。たぎるような妄想が一挙に現視化される時、背筋を稲妻が駆け抜けるが如きあの感触を一人でも多くの次世代に伝えること。本学に於ける私の役目はそこにあると考えています。


『Agitated Screams of Maggots』

『Agitated Screams of Maggots』

制作年:2006年10月
上映時間:3分 
制作会社:FWD株式会社
©sun-krad
ビジュアル系ロックグループDir en greyによる同名曲のプロモーションビデオとして制作。原曲の攻撃的な歌詞から「子供が大人に殺意を抱く時」をイメージし独自の解釈で映像化した。依頼主と意気投合、気持ち良く仕事することができた。
『緑子/MIDORI-KO』

『緑子/MIDORI-KO』

制作年:2010年完成
上映時間:55分
制作会社:株式会社ミストラルジャパン
プロデューサー:水由 章
あやしい科学者たちが極秘裏に開発した新生物「MIDORI-KO」をめぐり、東京の某所を舞台に、おかしな住人たちが繰り広げる狂乱の争奪戦。構想から完成までに10数年を費やした殆ど個人作業による長編アニメーション映画。
http://www.midori-ko.com


『イメージ・スケッチ』 
『イメージ・スケッチ』 

『イメージ・スケッチ』 

私のアニメーション制作では最終的な“設定資料”に至るまでに、この様なラフ・スケッチを大量に行う。最初に訪れるビジョンを拠り所として感興のおもむくまま登場人物や風景、小道具などを無秩序に描き飛ばしていくのだ。妥当な着地点を見定める為には、こうした遠回りとも思える行為の中で具体的なイメージと方法論が自然発酵するのを待つしかないからである。


『即興アニメーションとペインティングによるライブ』

『即興アニメーションとペインティングによるライブ』

制作年:2008年7月2日
企画・主催:鈴木浩之+金沢美術工芸大学油画研究室
まず即興で動画を公開制作し、完成後に上映が始まると、今度はスクリーン上の動画たちに語りかけながら彼等の「居場所」を描き加えていくという内容。「着地点の見えない仕事」は、これ迄のアニメ経験からは得られない新たな自己発見の機会となった。この6時間に及ぶ長大なライブイベントは、金沢美大の鈴木先生と学生諸氏の全面協力によって実現したのである。
『ライブペインティングによるアニメ表現』

『ライブペインティングによるアニメ表現』

制作年:2008年12月21日
上演時間:90分
企画構成:DJぷりぷり
主催:渋谷UPLINK FACTORY
4人のアーチストに、それぞれ未経験の事をさせるという主旨で開催された『バースディ』という4時間に及ぶイベントのフィナーレ。私の課題は「映像を一切使わず描画行為だけでアニメ表現を行う」というものだった。絵を描き、完成した画面を引き裂き、その残骸を貼り合わせた上から更に描き加え…といった行為に私自身の肉声とアクションを重ねることで「変形→解体→再構成」という意識の視覚化を試みた。

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