研究テーマ:
色立体の制作を通してコンピュータ上の色彩理論を確立する試みと、制作プロセスから形成される色彩モデルをコンピュータ上に作る試み。
色彩とコンピュータに関する研究制作
'99年 作品「Color System」
'01年 制作ノート「コンピュータ・モニター上における色立体モデルの構造とその表示方法について」
'06年 作品「colorsystem.html」
'08年~ 作品「色立体と時間と空間」
'09年~ 作品「In Color System」
'09年3月 発表「色を見る」
色彩に関する研究制作
'11年~ 研究「Interaction of Colorの翻訳」
'16年~ 研究「Interaction of Colorの色彩分析」
'16年~ 研究制作「色の関係を作るツール」
コンピュータに関する研究制作
'08年~ 作品「動作について」
'15年8月 研究制作発表「動作と動作のイメージ」
'16年3月 研究制作発表「動作と対象の動きについて」
教育への展開
'01年~ 講義「色彩特別講義 色をつくる・色を見る・色を整理する」山田高史と共同
'09年~ 教材「プログラム言語を学習するための冊子」
'12年 教材用アプリケーション「Color Conversion」「Color Mapping」
'13年 教材用アプリケーション「マンセル色立体に色をマッピングするためのアプリケーション」
'15年~ 教材用アプリケーション「Color Study」
色彩とコンピュータ
色立体の制作を通してコンピュータ・モニター上の色彩理論を確立する試みと、絵画におけるパレットの様な、個人個人の制作プロセスから立ち上がる色彩モデルをコンピュータ上に作る試みを1999年から行ってきた。この試みにあたっては、色彩、コンピュータ、身体、インターフェース、プログラムを横断するような知識と制作が必要とされた。中でもプログラムは単に物を作る技術ではなく、考え方が形になるメディアなので制作において色彩理論と身体をつなぐ重要な役割を担っている。
プログラムによる色立体の制作をコンピュータ上の色彩理論につなげてきたことに加え、環境における色彩の働きに主眼を置き、色立体などの要素還元的な色彩体系に否定的なジョセフ・アルバースやデービット・カッツ、ジェームス・ギブソンらの考えを取り入れてきた。冒頭に述べたパレットは、既存の色立体では記述できない色の関係を表す体系だと考えているので、色立体と対極にある作家と研究者のリサーチを進めることで、体験としての色彩とシステムとしての色彩をつなげるヒントにしている。
これらの色彩とコンピュータに関する研究制作の成果を応用し、教育活動とデザインに関わっている。
色彩と教育
スマートフォンやコンピュータによって色を作ることが当たり前になった現在、色を作る環境やイメージは、コンピュータ自体が特別だった80年代に比べ、大きく変わったと言える。これは色彩の学習にコンピュータを導入すれば解決する問題というより、日常生活レベルで変化しつつある色彩体験に対して、色を作るという行為をどのように組み立て直せるかという問いだと言える。
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